手軽に飼える代表的な小型動物であるハムスターですが、ネズミやリスなどと同じ齧歯類の為生涯に渡り前歯が伸び続けるという特徴があります。
その為きちんとケアしてあげなければ、病気やケガの元となり命が脅かされる事態になる可能性もあります。
そこで今回ハムスターの歯の特徴と注意点などを紹介していきます。
ハムスターの歯の特徴
ハムスターの歯は16本あります。主な歯の種類は下記の通りです。
- 切歯… かじるための歯。口の全面に上下2本ずつあります。
- 臼歯… 砕くための歯。口の奥に上下6本ずつあります。
切歯は一生伸び続けます。
ハムスターなどの齧歯類は、種類を問わず前歯が生きている限り絶え間なく伸び続けるという特徴があります。
下の歯が長く上の歯の3~4倍の長さがあります。
しかし、通常はかじり木や硬い餌などを食べたり、歯ぎしりをしたりして、自分で歯の長さを調整するのでトラブルが起きる程伸びすぎる事はあまりありません。
しかし、元々歯が歪んで生えている、不正咬合などで噛み合わせが悪いなどの問題で上手く長さを調節出来ない場合があります。
その際は、切らないと伸びすぎてしまう事になります。
ハムスターの歯が伸びすぎて起こる病気
ハムスターの前歯は真っすぐに伸びるのではなく、円を描きながら伸びていきます。
それなので、外から見る分にはなかなか異常に気づきにくいです。
歯が伸びすぎてしまうと上顎を突き破り鼻先から歯が出てきたり、舌を貫通してしまったりします。
そうなると、上手く食事が出来なくなり、徐々に衰弱して、回復出来なくなっていきます。
ハムスターの歯の切り方
まずは歯の長さを見ます。
ハムスターの歯は、下の歯が長くなっており、上の歯の3倍から4倍の長さになります。
上の歯が下の歯と同じくらい長くなっていたり、下の歯が刺さりそうになっていたり、二本の歯の片方だけ長さが違っていた場合は、過長歯です。
過長歯ならば、まずは自分で切ろうとせず、獣医に診てもらいましょう。
ハムスターの歯は適正範囲が長いため、自己診断は難しいです。
また、歯を切る行為には麻酔や止血剤を使う場合があります。
自宅で切った場合、出血を止めることが出来ない可能性があります。
獣医に診てもらったことがない方は、一度見てもらうと良いでしょう。
獣医に診てもらった経験がある場合、自己判断で切っても良いでしょう。
獣医に見せると、過長歯か否かを診断してくれます。過長歯の場合、歯を切る施術にはいります。
過長歯の場合は、獣医がハムスターの歯をカットしてくれます。
病院によって麻酔を使う場合と使わない場合があります。
定期的に切る必要があると診断された場合は、カットの方法と範囲を教えてもらうと良いでしょう。
暴れる場合や切る範囲が長い場合は、ニッパーで短く切る施術を行う場合が多いです。
切る範囲が狭い場合や暴れない場合、やすりで削る施術をする場合が多いです。
自己判断で切るのではなく、獣医の指導を仰いだ後、歯をカットすると良いでしょう。
また、歯を切ることは、ハムスターにストレスがかかります。
歯を切った後はなるべく刺激をしないようにし、好きなエサなどを与えましょう。
病院後のストレスケアはしっかりと行いましょう。
ハムスターの歯が伸びすぎないようにできること
かじり木を入れる
かじり木は、ストレス解消やゲージ等をかじらない効果があります。
しかし、かじり木に興味を持つか否かは個体差があります。
かじり木を入れてもあまり効果がない場合もあります。
木製の飼育用具を使用する
寝床や巣箱を木製の物にしてハムスターにかじってもらいます。
しかし、その中で排泄をされたら汚れが染み込んでしまいます。
それなので、床面の付いていない物が良いでしょう。
寝床や巣箱は定期的に取り替えて、カビなどの衛生面に気をつけましょう。
かたいエサ
ハムスターの主食はペレットです。
半生タイプと乾燥タイプがあります。
乾燥ペレットのハードタイプは、歯を削るのに役立ちます。
かたいビスケットや殻付きの種子なども歯を削るのに役立ちます。
ハムスターの歯に関する注意点
ハムスターの歯は正常時は黄色いです。栄養状態に問題がある場合は白くなります。
そういった場合、なにかの病気にかかっている可能性もあるので、早めに受診をしましょう。
ハムスターはゲージや金網を噛む事によって、不正咬合になってしまうことがあります。
歯の根元が歪んでしまうと、切りそろえたとしても、また曲がって生えてきます。
そうならないように、2週間おきには病院で切りそろえてもらった方が良いでしょう。
ハムスターの好物である種子は、ほとんどの物が高脂質や高糖質です。
おやつとして少しの量を与えないと、肥満になってしまいます。
まとめ
ハムスターの歯は16本あります。そして、歯のケアを行わないと歯が伸びすぎて、病気をおこします。
病気をおこさないような小物やエサもあるので、それらも使用していきましょう。
また、異常が見つかった場合は、すぐに獣医に相談しましょう。